ショートショートパズル

論理パズルが潜む、短くて不思議な物語。

黒の花嫁2

「黒の花嫁」の続きのお話です。先にこちら↓をお読みください。)

shortshortpuzzle.hatenablog.com

 

 

 

 

  俺は、白の騎士(ナイト)。チェス大陸で白の国を守り、黒の国と戦っている。だが、巨大な悪魔にささやかれて、うっかり黒の女王(クイーン)に恋をしてしまった。

         

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敵国の女王(クイーン)を手に入れるなど、容易なことではない。俺は机上で空論を重ねた。

そして、彼女を手に入れるための正しい道筋を、やっとのことで発見したその時だった。

「きょうのおやつのいちごケーキ、うまかったなあ」

 最初に戻ってきたのは、先ほど白の国を指揮していた巨人だった。「気持ちわりい」などと、下品な言葉を俺に浴びせかけた輩である。

「お、なんだこれ? 黒の女王(クイーン)が閉じこめられてるじゃん」

 コツンコツンと、積み木を勝手に足していく。新大陸が、見る間に面積を拡大した。

「へへ。動けるように、土地を増やしてやったぜ。あ、そうだ」

 巨人は、ぷぷぷと大砲のように息をはきだしながら、さらに手を動かした。大陸の上に、怖ろしい光景が広がっていく。黒の歩兵(ポーン)の大軍勢。

「あっはっは。黒チーム、強そう! どうする、白のナイト?」

 おいおい。ほんのさっきまで、白の国の味方だったじゃないか。裏切るのが早すぎる。

 俺はため息をつきながら、険しくなった女王(クイーン)までの道のりを眺めた。今度は、歩兵(ポーン)という敵が多数待ち受けている。より緻密な戦略が必要になりそうだ。

 だが、ここで挫ける弱い俺ではない。女王(クイーン)への気持ちに、揺らぎなど一ミリもないのだ。

 ゆけ、最強の騎士(ナイト)よ!

 俺は愛を求めて、再び奮い立った。

 

 

 

 

 

〈論理パズル〉

 巨人のせいで、黒の女王(クイーン)までの道のりが遠くなってしまいました。挫けずに、もう一度女王(クイーン)のもとを目指しましょう。

 

女王(クイーン)の動きのルール〉

 前後左右またはナナメに、好きなだけ進むことができます。

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歩兵(ポーン)の動きのルール〉

 前(敵国の方角)に1マス進めます。ただし、最初の一手だけは2マス進むこともできます。

 敵の駒を取る時は、正面ではなくナナメ前方のどちらか(☆マーク)になるので注意。

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〈位置関係〉

白の騎士(ナイトがいるチェス大陸と、黒の女王(クイーン)および歩兵(ポーン)がいる積み木大陸の地図は以下の通りです。

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〈ルール〉

騎士(ナイト)から動きはじめること。

女王(クイーン)歩兵(ポーン)も、動けるマスができると騎士(ナイト)と交互の手で動いてくるので注意。もちろん、騎士(ナイト)が下手な動きをすると、黒の駒に取られてチェックメイト(負け)になってしまいます。

 

〈問題〉

 さて、今度こそ女王(クイーン)を手に入れたいですね。最短で何手かかるでしょうか?